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こころのはなし

No.371〜380

No. タイトル No. タイトル
No.379 社会不安障害(1)・・・上がり症って何? その4 No.380 汗っかきの私、気になって辛いのです
No.377 自殺・他殺へのひきがね No.378 お子さんが体臭で悩んではいませんか
No.375 キレる子どもに困っていませんか No.376 他人のことが信用できないのです
No.373 家事に仕事に大忙し女性を取り巻く状況 No.374 定年を迎えたご主人とうまくいっていますか
No.371 社会不安障害(1)・・・上がり症って何? その3 No.372 人とのコミュニケーションが怖いのです。

 

380 汗っかきの私、気になって辛いのです

「毎日蒸し暑いこの時期が嫌でしょうがありません。汗の量が非常に多く、それを周囲に気付かれはしないかと、びくびくしています。」 こんな相談を受けました。

一口に汗の悩みと言っても感じ方は様々。例えば本当に滝のように流れる汗に困っている場合もあれば、さほど汗をかいていなくてもひどく発汗して周囲を不快にしていると思い込み、苦しんでいるケースもあります。更に汗の量ではなく、実はその臭いを気にしていたということもあるようです。

多汗の場合、悪性腺膠や膠原病といった身体の病気に注意することはもちろんですが、一方で、更年期障害や神経症、不安障害等によってもたらされる「こころ」の不調が悩みのもとだった、というケースも非常に多く、周りが考える以上にご本人とっては深刻な問題なのです。

大切なのは汗そのものの原因が何なのか、まずそこを明らかにすること。周囲の人も「汗ぐらいで気にするな」などと受け流さず、専門医にしっかりと相談するよう助言してあげて下さいね。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/06/19

379 社会不安障害(1)・・・上がり症って何? その4

この記事はこちらからの続きです。

社会不安障害からくる不登校は、「無理に学校に行かせなければ、自然と治っていくだろう」というものではありません。うつ病などの場合は、一定の周期でよくなったり、中学校で環境が変わり通えるようになったりするケースもありますが、社会不安障害の場合は全く別です。治療を受けずに不登校のまま放置されれば、子どもは学校教育を受けられずに育つことになり、人生に大きなダメージをなる場合もあります。また大人の場合、人前でプレゼンテーションをするというのは、責任ある立場の人の仕事にはつきものです。これらを回避していては、職場を転々とする人生になってしまうこともあります。そこを無理して行えば、行うほどに症状は悪化しますからやはり早期治療が大切です。

民族や文化、男女の差のようなものはあるのでしょうか。

病気そのものが比較的最近定義されたものですから、きちんとした統計はないように思います。ただ、男の子の方が若干多いということです。また、薬物療法的にはヨーロッパ諸国に比べると日本は遅れてます。日本ではまだ認可されていない薬などもありますから、これから時間がたてば、大人の方の治療成績も上がるでしょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/06/12

378 お子さんが体臭で悩んではいませんか

夏が近づいてだんだん暑くなってきました。こんな時期は体臭が気になるという人も多いのでは。特に思春期になるとアポクリン汗腺が発達し、体臭を気にする男の子が多いようですが、多少臭いがあるのは自然なことです。

しかし大学の講義の時などに隣に誰も座ってくれないのは、体臭のせいだと思い込んでしまう人も多いようです。この場合、周囲は気にしていないのに「自分の体臭」のせいで、嫌がられていると思ってしまう自己妄想症や、うつ病で自分に自信が持てなかったり、アスペルガー症候群によりコミュニケーションが取れないなどの心の病気が背景にあり実は友達作りに失敗しているケースがあります。

また、体臭が気になり過ぎて集中力が無くなり、教室に座っていられなかったり、授業に出られなくなってしまうこともあります。そして成績が落ちてしまい「体臭のせいで成績が悪くなってしまった」と、さらに臭いが気になってしまうという悪循環を起こすこともあります。

背景にある心の病気を改善することにより自信が回復すると、体臭も気にならなくなるので、もしかしたらと思う方は、一度専門科を受診してみてはいかがでしょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/06/12

377 自殺・他殺へのひきがね

通り魔など無差別殺人や、家族を惨殺する事件が続き胸が痛みますね。

「犯人自身が『自分は死刑になればいい』と考えていて、人を巻き込んでの一種の自殺」と言われています。「世の中や周囲のせいで自分はこんなに苦しい」と感じているのでしょう。彼らは心のバランスを失っていて、働けない、勉強ができないという状態が続き、周囲との摩擦が絶えません。特に家族は「こんな奴はどうしようもない」と責めてしまいます。本人は「今のままでは生きていられない」と感じて、自殺、時に殺人に及びます。

彼らは苦しんでいるのですから、苦しみを取り除くよう協力しいてあげなくては。責めない、追い詰めないこと。「役立たず」という価値観は捨てましょう。どんな人もいきていることからすべて始まるのです。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/06/06

376 他人のことが信用できないのです

「自分以外の人間が信じられません。好意的な態度でも、何か裏があるのではと疑って、敵がい心を抱いてしまいます。」 こんな相談がありました。

日常のどんな場面でも、他人がいつも自分をだまそうとしている、利用しようとしているなどと状況を曲げて感じたり考えてしまったりする場合があります。

これは一般に被害念慮とか被害妄想と呼ばれる症状で、職場や学校でも常に警戒していなくては気が済まず、人と付き合えなくなってひきこもったりしてしまうため、本人も周囲もとても疲れてしまいます。背景には統合失調症やうつ病などの「こころ」の病気が潜んでいる場合が多く、高齢の方は認知症によって症状が引き起こされるケースもあります。

主にお薬で改善を図りますが、過去の辛い経験等が原因の場合はカウンセリングを行うこともあります。更に症状が重すぎて本人が受診できないという場合もあると思います。そんな時はご家族だけでもご相談にいらして下さい。諦める必要はないのですよ。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/06/05

375 キレる子どもに困っていませんか

「キレル子ども」そんな言葉を耳にすることが多いですね。思春期以降の男の子は、男性ホルモンの上昇によりイライラが起こり、怒ったりキレたりして自分の部屋にこもってしまうことがあります。家族は、どうしたらよいのかと戸惑うかもしれませんが、追いかけずそっとしておく方がよいといいます。

しかし、壁に穴が空くほど殴り付けたり、怒りが収まらず、それまでとは違う“質”の変化が表れた場合は注意が必要です。盗撮されていると思い込み壁に穴を空けてしまう場合などは、統合失調症の可能性もあります。また、女の子でも親の目の前でテーブルをひっくり返したり、携帯電話の使い過ぎを注意されただけで、携帯電話を壊すなど暴力的になる場合はパーソナリティー障害などの心の病気が起こりかけている場合もあります。

親までキレてしまい暴力で対抗しようとしても子どものほうが体格もよく、逆に親が押さえつけられて家庭内暴力に発達することもあるので、冷静な対応が大切です。

親だけで相談に訪れる人もいるので、子どものためにも、家族のためにも子どもの変化に気付いたら専門科へのご相談をお勧めします。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/06/05

374 定年を迎えたご主人とうまくいっていますか

ご主人が定年退職をして、家にいる時間が長くなった家庭も多いでしょう。そうなると奥さんは昼食の支度をするようになり、「お〜いお茶、新聞」と呼ぶ声が聞こえてくる・・・。朝ご主人を送り出し洗濯や布団を干して、簡単に昼食をとり夕飯の買い物までひと休みできた今までの生活パターンが崩れてしまうことになるでしょう。

そして家事の拘束時間が長くなり、だんだんにご主人が家にいるのが脅威になってしまう場合があるそうです。また、ご主人に悪気はなくても「ここ汚れているじゃないか」など、家事に口を挟まれたりすると、私は駄目なんだと自分を責めてしまう人もいるそうです。

こうして奥さんは、体ばかりでなく心まで疲れてしまうことがあります。気分がふさぎ込んだり、だるい、食欲不振などのうつ病の症状やイライラや、悲しくないのに涙が出るなど不安が強くなったり、肩こりや頭痛の症状が現れたりする場合があります。

セカンドライフを夫婦で楽しく過ごすためにも、事前に家事の役割分担をしておくなど、ご主人の理解と協力が必要といいます。しかし、気になる症状が現われたら早めに専門科の受診をお勧めします。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/05/29

373 家事に仕事に大忙し女性を取り巻く状況

「仕事を持ちながら育児をそつなくこなす・・・」このような生活を女性に求めることは当然のことなのでしょうか?

アメリカでは多数の家族が共働きを取っていますが、スペイン語圏の人たちが家事労働を担っているのが現状です。ベビーシッター制度も充実していて高校生などが直ぐに対応してくれるだけでなく、NYなどを除けば、大多数のアメリカの人たちは近所の子どもまで面倒を見る傾向があります。

日本では「家事や育児は奥さんがやるもの」と、旦那さんや両親だけでなく、本人も当然なものとして意識している傾向があります。

朝6時に起床、朝食の準備をこなして日中は男性並みに働き、帰宅後は家事をこなす・・・こんな生活を365日続けられるわけがありません。月100時間を超える残業時間が3ヶ月以上続くと過労死のリスクが数倍に高まり、大半の人がダウンしてしまいます。家が滅茶苦茶になるのは当たり前なのです。

家事や育児を頑張っても旦那さんに評価されない奥さんは、いずれ全てを放棄してしまう「ネグレクト」を起こすケースも考えられます。親御さんの近くで住む、旦那さんと家事の分担を行うなど、多少の理解は増えましたが、自分一人で抱え込まず周りのサポートを最大限に活用してください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/05/29

372 人とのコミュニケーションが怖いのです。

「私は他人とコミュニケーションをとるのがとても苦手で、その場から逃げ出したくなる衝動に駆られます。こんな性格は直るでしょうか。」こんな相談を受けました。

人と上手く付き合えないのは性格のせい、と思い込みがち。でも本当は「こころ」の病気が原因だったというケースが少なくないのです。例えばこんな傾向に心当たりはありませんか?

初対面の人や親しい人とは上手く付き合えても、ちょっとした知り合いにはとても苦手意識を感じる。あるいは、親しい人は平気でも、初対面やちょっとした知り合いとはうまく交流できない・・・。

前者は対人恐怖症等。後者は回避性パーソナリティ障害等といった「こころ」の病気が疑われます。さらに人全般と交われない、一緒にいること自体が苦痛という時は、うつ病、統合失調症、シゾイドパーソナリティ障害等が潜んでいる恐れもあるのです。コミュニケーションを妨げる原因は多種多様。心当たりがあれば早めに専門医に相談して、適切な対処法を見つけて下さいね。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/05/29

371 社会不安障害(1)・・・上がり症って何? その3

この記事はこちらからの続きです。

前回までで、社会不安障害の症状、治療法や治療期間についてお話しましたが、発病には、どんなきっかけがあるのでしょう。 社会不安障害というのは、大勢の人の注目を浴びるような場面で強い不安に襲われ、頭が真っ白になり、動悸や発汗、吐気などが出現する病気です。小学校高学年になるころ、発病する子どもが多い。これは神経の病気ですから、中学に上がる前の子どもたちであれば、薬に対する反応性がとても良く、長い期間の投薬を必要とせず完治するケースが少なくありません。不登校の子どもの中に、この社会不安障害によるケースがあります。友達や先生ともうまくいっていて、学業もついていっている、身体的な点でも問題はない。それなのに、学校に行きたがらない。本人も因果関係を自覚していないので分かりにくいのですが、こんなケースは、社会不安障害である可能性もあります。

親に社会不安障害のような傾向があると、子どもも出やすいということはあるのでしょうか。 家族集積性はあります。親がそうだったという場合は、ぜひ気をつけて見てあげてください。そして、思い当たるようでしたら、なるべく早く受診するようにしてください。お子さんの人生が全く違ってくるはずです。

この記事はこちらに続きます。

ハートクリニック院長 浅井逸郎 08/05/15

 

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