心因性記憶障害 |こころの病気のはなし 一般編

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心の病気の種類

心因性記憶障害

● 症状

心因性記憶障害は、精神的なストレス等によって記憶が失われてしまう障害です。通常、過去のことを思い出せない逆行性健忘で、不快な体験や出来事、特定の人物を思い出せなくなることが多いとされています。すべて忘れるわけではなく、一般的な知識は保たれているため、日常生活にはあまり支障がありません。しかし、自分が誰だかわからなくなる人もいます。また、わずかながら新しいことを覚えられない前向性健忘になる人もいます。

一般的には心因性健忘、場合によってはヒステリー健忘、機能性健忘、解離性健忘とも呼ばれます。

 

●原因

心因性記憶障害は、大きな精神的ストレスや、心的外傷が原因となって発症します。アメリカでは解離性同一性障害(多重人格障害)や、心的外傷との関連に関する研究が盛んに行われています。

 

● 他の疾患との関係

心因性健忘と、脳の損傷(あるいは脳の疾患)による典型的な記憶障害は、明らかに症状が異なります。心因性健忘は、ほとんどの場合、新しいことを覚える機能は損なわれません。幼少期あるいは、それまでの人生のある時点からの、自分に関する情報を思い出せなくなります。記憶が失われる程度は患者さんによってさまざまです。心理学のテスト等で、有名人や都市の名前を問われる場合には、うまく答えられる人もいます。おそらく、過去を思い出すのではなく、現時点に関わる質問だからだろうと考えられています。

一方の神経学的な健忘は、新しいことを記憶しにくくなることが中心的な症状です。自分の名前や幼少期〜青年期の出来事など、過去にさかのぼった記憶は決して忘れないのが通例です。ただし、脳の外側測頂葉や前頭葉に損傷がある場合は別です。

 

なお、詐病と心因性健忘を区別するのは難しいとされています。本当の心因性健忘の特徴は以下の3つです。

  1. 記憶に関する検査をした場合、得点は決して悪くない。
  2. 催眠または「アモバルビタール(イソミタール)面接」(催眠・鎮静効果のある薬剤を注射して気持ちを落ち着かせた状態で行う面接)によって、記憶へのアクセスが改善される。
  3. 発病前に重要な精神科的な経歴がある。

 

なお、心因性健忘の症状は、患者さんによっては数日間のあとに一掃されることがあります。しかし、多くの場合は持続します。

 

※参考文献

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

『現代精神医学事典』(弘文堂)

 

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