病気のときの脳の状態を知るために、ここで脳の中で神経が信号を伝えるしくみをみてみましょう。
一つひとつの神経細胞には、「軸索」と呼ばれるしっぽのような長いケーブルがあり、この軸索を 電気信号が伝わります。信号が軸索の末端まで伝わると、軸索の末端にあるシナプスを通じて 次の神経細胞に信号を伝えます。シナプスと次の神経細胞との間には「シナプス間隙(かんげ き)」と呼ばれる小さな隙間があり、直接つながっていません。そのために電気信号を直接伝える ことはできず、シナプスから神経伝達物質と呼ばれる化学物質を放出することで、次の神経細胞 を刺激して信号を伝えています。ところが、シナプスから放出される神経伝達物質の量が過剰に なったり不足したりすると、信号を正しく伝えることができなくなります。そして、脳の働きのバラン スが崩れ、こころの病気として精神や身体に症状が現れるようになります。

▼神経伝達物質の種類と特徴
神経細胞によって、シナプスから放出 される神経伝達物質の種類が決まっ ています。そして、その種類によって興 奮や抑制など心身に対しての働きが 異なります。代表的な神経伝達物質 には、ノルアドレナリン、ドーパミン、セ ロトニンなどがあります。それぞれがも たらす効果として、ノルアドレナリンは 「意欲」、ドーパミンは「興奮」、セロト ニンは意欲や興奮などの「抑制」と考 えられています。
