Cくんは小学校3年生の男のこです。学校では、授業中、じっとしていることができずに動き回ったり、ボーっとしていたりと勉強に集中することができません。
忘れものや失くしものも多く、よく先生に「なまけている」「しっかりしろ」などど、怒られてしまいます。
子どもは好奇心に溢れており、じっとしていられなかったり、忘れ物が多かったりといったことは一般的なことでもあります。しかし、以下に挙げるような症状が少なくとも6か月以上続き、 学校などの集団生活や友達関係、家庭の中で不適応を起こし、生活上なんらかのサポートが必要な場合はADHDが疑われます。ADHDとは、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略で、日本語では「注意欠陥多動性障害」といいます。
特徴的な症状
- 注意障害: 注意の持続が困難(忘れもの、失くしものをすることが多いなど)
- 多動性: 運動の調整の困難(じっとしていられない、手足をそわそわ動かすなど)
- 衝動性: 行動の抑制の困難(順番を待てないなど)
ADHDに対する社会の理解が少ないために、その症状について周囲の人から「なまけている」、「不まじめ」などと言われ、理解を得られないことも多く、本人や家族が孤立してしまうこともあります。
また、多くの場合、ADHDの症状は、年齢を重ねるにつれ改善していきますが、中には大人になってからも苦しんでいる人もいます。適切な時期に、薬物療法、心理療法のほか、病気の理解などについて教育的な介入を行うことが大切です。
診断基準:身体化障害
| DSM-W-TR | ICD-10 |
| 注意欠陥/多動性障害 Attention Deficit/ Hyperactivity Disorder |
F90 多動性障害 Hyperkinetic Disorders |
T.以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月間持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応しないもの: <不注意>
U.以下の多動性―衝動性の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月間持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達水準に相応しない: <多動性>
<衝動性>
病型に基づいてコード番号をつけよ:314.01 注意欠陥/多動性障害、混合型: 過去6ヶ月間A1とA2の基準をともに満たしている場合 314.0 注意欠陥/多動性障害、不注意優勢型: 過去6ヶ月間、基準A1を満たすが基準A2を満たさない場合 314.01 注意欠陥/多動性障害、多動性―衝動性優勢型 :過去6ヶ月間、基準A2を満たすが基準A1を満たさない場合 |
注:他動性障害の研究用診断では、さまざまな状況を通じて広範に、かついつの時点でも持続するような、異常なレベルの不注意や多動、そして落ち着きのなさが明らかに確認されることが必要である。またこれは、自閉症や感情障害などといった他の障害に起因するものではない。 G1.不注意:次の症状のうち少なくとも6項が、6ヶ月間以上持続し、その程度は不適応を起こすほどで、その子どもの発達段階と不釣り合いであること。
G2.過活動:次の症状のうち少なくとも3項が、6ヶ月間以上持続し、その程度は不適応を起こすほどで、その子どもの発達段階と不釣り合いであること。
G3.衝動性:次の症状のうち少なくとも1項が、6ヶ月間以上持続し、その程度は不適応を起こすほどで、その子どもの発達段階と不釣り合いであること。
G4.発症は7歳以前であること。 G5. 広汎性:この基準は複数の場面で満たされること。たとえば、不注意と過活動の組み合わせが家庭と学校の両方で、あるいは学校とそれ以外の場面(診察室な ど)で観察される。(いくつかの場面でみられるという証拠として、通常複数の情報源が必要である。たとえば、教室での行動については、親からの情報だけで は十分とはいえない) G6.G1−G3の症状は、臨床的に明らかな苦痛をひき起こしたり、あるいは社会的・学業上・仕事面での機能障害をひき起こすほどであること。 G7.この障害は広汎性発達障害(F84.-)、躁病エピソード(F30.-)、うつ病エピソード(F32.-)、または不安障害(F41.-)の診断基準をみたさないこと。 |
