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こころの病気のはなし > 専門編 > 社会不安障害とは

下記のような状況が「苦手」な方は大勢いらっしゃると思います。でもこういったことで「過剰に緊張」してしまい、そういった状況を避けるために生活に影響が出てしまっているとしたら、それは「社会不安障害」かもしれません。

  • 会議などで発表したり、意見を言ったりする
  • 人前で電話をかける
  • 権威ある人(学校の先生や職場の上司)や良く知らない人と 話をする
  • 多くの人の前で話したり、歌を歌ったりする

 

さらに、社会不安障害では、

  • 趣味のサークル、PTA、ゼミ等のグループ活動に参加する。
  • レストラン、喫茶店、居酒屋等で飲食をする。
  • 職場や学校など、人前で仕事をしたり字を書く。
  • 会議やゼミ等他の人たちがいる部屋に入る。 人と目を合わせる。
  • 来客を迎える。
  • 自分を紹介される

といった日常的な場面でも、強い緊張と困難を感じ、手足が震えたり、息が苦しくなったり、動悸がしたり、大量の汗をかいたり、顔が赤くなったり、声が出なくなったり、頻繁にトイレにいきたくなったり、など様々な身体的症状を伴ってきます。

こういった、以前は「内気」とか「性格の問題」とされていたものの中に、神経伝達物質の関与した「疾患」が含まれていることが分かってきました。それが「社会不安障害」です。

社会不安障害は、「限局型」「非全般型」「全般型」の三つのタイプに分類されています。

限局型は、一つのみの社会的状況(例えばプレゼンテーションをする場合のみとか、人前で字を書いたりするときのみとか)で強い不安を覚えるもの、非全般型は、二つ以上の状況で不安を覚えるもの、全般型は、ほとんどすべての社会的状況で強い不安を覚えるもの、と分けられています。(前の二つと全般型は少し違った疾患群ではないかとも考えられています。)

従来は、それほど頻度の高いものとは考えられていませんでしたが、最近の外国の調査では、全人口の10〜15%がこの疾患に罹患していると言われ、決してまれな疾患とはいえません、さらに「疾患」という認識が低いために、患者の2/3病院には行っておらず、病院に行っていても「社会不安障害」という疾患と認識していた人は3%に過ぎない、というデータもあります。日本ではこの疾患の認知度はさらに低く、「困った性格」として一人で悩んでいる方が多いと推定されます。

若い頃から障害に悩むことが多く、10代半ばから20代前半で発症し、男性より女性に多いと言われています。アメリカのデータでは発病年齢の平均は15歳だったそうです。

何よりも重要なことは、この疾患が、70%を超える高率で、うつ病、アルコール依存症、パニック障害などの疾患を併発するといわれていることです。

有効性の高い薬物や、精神療法も存在していますので、一人で悩んでいないで、専門機関に早期に相談することが大切です。

 

診断基準

DSM-W-TR ICD-10
コード番号 300.23
社会恐怖(社会不安障害)
Social phobias(Social Anxiety Disorder)
コード番号 F40.1
社会恐怖
Social phobias
以下の全ての基準が満たされなければならない。 以下の全ての基準が満たされなければならない。
  1. よく知らない人たちの前で他人の注視を浴びるかもしれない社会的状況または行為をするという状況の1つまたはそれ以上に対する顕著で持続的な恐怖。その人は、自分が恥をかかされたり、恥ずかしい思いをしたりするような形で行動(または不安症状を呈したり)することを恐れる。
  2. 恐怖している社会的状況への曝露によって、ほとんど必ず不安反応が誘発され、それは状況依存性、または状況誘発性のパニック発作の形をとることがある。
  3. その人は、恐怖が過剰であること、または不合理であることを認識している。
  4. 恐怖している社会的状況または行為をする状況は回避されているか、またはそうでなければ強い不安または苦痛を感じながら耐え忍んでいる。
  5. 恐怖している社会的状況または行為をする状況の回避、不安を伴う予期、または苦痛のために、その人の正常な毎日の生活習慣、職業上の(学業上の)機能、または社会活動または他者との関係が障害されており、またはその恐怖症があるために著しい苦痛を感じている
  6. 18歳未満の人の場合、継続期間は少なくとも6 ヶ月である。
  7. その恐怖または回避は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものではなく、他の精神疾患(例:広場恐怖を伴う、または伴わないパニック障害、分離不安障害、身体醜形障害、広汎性発達障害、またはシゾイドパーソナリティ障害)ではうまく説明されない。
  8. 一般身体疾患または他の精神疾患が存在している場合、基準A の恐怖はそれに関連がない、例えば恐怖は、吃音症、パーキンソン病の振戦、または神経性無食欲症または神経性大食症の異常な食行動を示すことへの恐怖でもない。
  1. 心理的症状、行動的症状あるいは自律神経症状は、不安の一次的発現であり、妄想あるいは強迫思考のような他の症状に対する二次的なものであってはならない。
  2. 不安は、特定の社会的状況に限定されるか、あるいはそこで優勢でなければならない。
  3. 恐怖症的症状を可能な限り常に回避する。
全般性:恐怖がほとんどの社会的状況に関連している場合
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