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こころのはなし
 

認知行動療法通信

No.021〜030

No. タイトル No. タイトル
No.029 認知行動療法セッション2、セッション3 No.030 知らず知らず不愉快に
No.027 認知行動療法は科学的? No.028 今週から新しいグループが始まりました
No.025 身体の緊張をほぐす方法2 No.026 なかなかやる気になれないとき
No.023 ストレスへの対処方法 No.024 身体の緊張をほぐす方法
No.021 考え方を見直していく方法4 No.022 ストレスを強める言葉、ストレスを楽にする言葉

 

030 知らず知らず不愉快に

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

突然ですが、みなさんは、「今日はやけに家族が口うるさいな」とか、「今日はやけに上司の機嫌が悪いなぁ(理不尽だなぁ)」などと不快な気持ちになったことをないでしょうか?たいていの場合、「相手の機嫌がどうしようもなく悪い」ことが原因であると思いますが、知らず知らずのうちに自分自身が原因の一つになっていることも少なくはないかもしれません。

人間の多くの行動は、事前の出来事によって、大きく影響を受けています。例えば、「家族が口うるさいな」と感じるその前に、なにか「不快感(例えば、怒り)」を覚えるような出来事はなかったでしょうか。仕事の帰りに電車が遅れていたとか、買い物に寄ったコンビニの店員の態度が悪かったとか。たいていの出来事はなんらかの感情(気分)や記憶(思い出)を活性化させますが、この活性化された感情や記憶は、その後の行動に影響を及ぼすといわれています。

つまり、上の例は・・・
電車が遅れたことで生じたイライラ 
     ↓
帰宅後に攻撃的な行動として現われる
     ↓
家族をイライラさせる 
     ↓
家族も攻撃的な行動となる
     ↓
「口うるさいな」

のような連鎖の結果としてとらえることができるかもしれません。しかし、多くの場合、このような連鎖を自覚することは非常に難しいため、「家族が口うるさい。不愉快」という結果だけ注目されてしまうのです。

さて、「ある出来事で生じた感情や記憶が、知らないうちに行動となり、まったく無関係の場面で自分自身を不快にしてしまうことがある」というお話しをしてきましたが、このような連鎖を断ち切る方法としても、認知行動療法は有効になるでしょう。例えば、上の例で、「電車が遅れたことに対するイライラ感」は、ブログでもご紹介した「思考記録表」を使うことで、低減することができます。イライラ感が低減すれば、その後、攻撃的な行動は現れないか、弱くなるでしょう。家族の態度も「口うるさい」と思うほどのものではなくなる可能性が高くなります。

我々の行動は、知らず知らずのうちに様々な出来事の影響を受けています。本来ならまったくの無関係なはずの出来事によって、新たに不快な状況を作り出してしまわないためにも、認知行動療法は役に立つでしょう。

参考文献:岡隆(編) 「社会的認知研究のパースペクティブ」 培風館

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/12/06

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029認知行動療法セッション2、セッション3

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

日が沈むのが早くなりましたね。日中が短いと、なんとなく損したような気持ちになるのは、私だけではないのではないでしょうか?「もう一日が終わってしまった」というような「認知」をしているのかもしれませんね。

さて、11月13日の週に始まった第10期認知行動療法も、今週で3回目のセッションまで進みました。今日は、先週ご紹介できなかった、2回目のセッションの内容も合わせて、ご紹介していきましょう。

2回目のセッションでは、実際に気分を変えるための方法として、「思考記録表」の付け方のお話しに入っていきます(試行記録表について、詳しくは認知行動グループ療法通信No18、No19をご参照下さい)。まず2回目では、嫌な気分を感じたときの「状況」、「気分の種類」、その気分を引き起こした「自動思考」を分けていく練習を行います。分けていく上でのコツは以下の通りです。

(1)状況:「いつ・どこで・誰が・何を・どうした」で表現できるような客観的な状況
(2)気分:一単語で表わせる。
(3)自動思考:状況に対する主観的な判断や考え方で、文章で表わされる。

 

3回目のセッションでは、うつ状態の時に特徴的な認知についてご紹介していきます(詳しくは、認知行動グループ療法通信No12、No13をご参照下さい)。そして、記録していただいた試行記録表を使って、実際にご自身の考え方に、そのような認知がみられるかどうか確かめていただきます。多くの方々が、「こんなところが当てはまる」と、ご自身の考え方をより客観的に振り返っておられます。

ところで、11月13日に始まった、フォローアップグループも、今週の月曜日に2回目のセッションを行いました。2回目のセッションでは、思考記録表をより簡単に付けられるようになるために、「根拠と反証を見つけるコツ」についてお話させていただきました(詳しくは、認知行動グループ療法通信No20、No21をご参照下さい)。前半20分ほどで説明を終わらせ、残りの40分は、グループディスカッションという形で、それぞれの方の記録表を紹介しあう、話し合うという時間に使いました。8名の方にご参加いただき、とても有意義な話し合いができたのではないかと思っております。

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/11/29

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028 今週から新しいグループが始まりました

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

ハートクリニックで認知行動療法が始まって1年が経ちました。今週から始まったグループは第10期目を数え、フォローアップグループの方も第5期目となりました。これまでに、延べ200名以上の方にご利用いただいております。

さて、今週から第10期目の認知行動療法と第5期目のフォローアップグループが始まりましたので、今後は、この進行に合わせて簡単にプログラム内容などをご紹介していこうと思います。

認知行動療法の初回は、主に「認知行動療法とはどんなものか?」、「どうしてうつ病やうつ状態に効果があるのか?」というお話をしていきます。認知行動療法の概要については、これまでのブログ等(特に、認知行動療法通信No1)をご参考にしてください。一言でいうならば、「嫌な気分を引き起こす考え方や行動パターンを見直していく治療法」が認知行動療法です。

また、初回には、治療開始前の抑うつ状態の程度を測定するために、SDSと呼ばれる質問紙に答えていただきます。SDSは、途中7回目と最終回(12回目)にも実施し、治療の効果を見ていきます。

さらに、グループ療法中に使用する「ハンドルネーム(ニックネーム)」を決めていただきます。多数の参加者様がいらっしゃいますので、プライバシーを守るため、グループ療法中はご本名ではなく、ハンドルネームを使っていただきます。皆さん、好きな有名人やキャラクターの名前など、自由に「新しい名前」を決めてくださっています。

一方、フォローアップグループの初回には、認知行動療法のおさらいを中心に行っていきます。ここ2回ほどは、「思考記録クイズ」と銘打って、思考記録表を使ったゲームのようなことを行なっています。フォローアップグループでは、みなさんグループ療法に慣れていらっしゃるのか、初回から和やかな雰囲気で進んでいく感じです。

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/11/16

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027 認知行動療法は科学的?

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

近年、科学的根拠にもとづく医療(Evidence Based Medicine:EBM)という考え方が広くいわれるようになりました。認知行動療法は、うつ病や不安障害などに対して効果的な治療方法であることが、統計的、科学的に実証されてきており、EBMという考え方に沿った治療法として発展してきたといえます。

これまで、認知行動療法の効果を測定するとき、多くの場合、質問紙(尺度)を使って測定されるうつ状態の程度や不安の程度が指標とされてきました。しかし、近年、脳機能画像解析技術の発展に伴って、認知行動療法が脳機能にどのような影響を及ぼすのかという研究が行われ始めています。

うつ病や不安障害になると、前頭葉や海馬、扁桃体と呼ばれる脳の部位に、障害や活動性の低下が認められるといわれています(うつ病と不安障害では、障害される脳部位は、若干異なってきます)。認知行動療法は、これら前頭葉や海馬、扁桃体の機能を改善する可能性があることが分かり始めています。

上に挙げた脳部位の機能として、前頭葉は注意力や意思決定力、感情のコントロールと、海馬は記憶能力(特に覚える能力)と、偏桃体は感情の生起(特に恐れなど)と深く関わっていると考えられています。つまり、認知行動療法は、うつ病や不安障害に伴って低下している、注意力や意思決定能力、記憶能力、感情のコントロール能力を改善することができると可能性があると考えられるのです。

脳機能画像解析技術を使った認知行動療法の効果研究は、まだ始まったばかりです。今後、研究が進むにつれて、より多くの詳細な効果が明らかになってくると思います。これまで蓄積された質問紙を使った効果研究もあわせ、認知行動療法は科学的な根拠に基づいた治療法であるといえるのではないでしょうか。

参考文献:海保博之(監) 利島保(編) 「朝倉心理学講座4 脳神経心理学」 朝倉書店

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/11/09

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026 なかなかやる気になれないとき

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

先日の認知行動療法グループで、「モチベーションがあがらないのだけれど、どうにかならないか?」というご質問をいただきました。うつ病やうつ状態の時には、「やる気がでない、気力がない」という症状がしばしばみられます。病気の症状ですので、「やる気が出ない」あるいは「気力がわかない」のであれば、無理に動く必要はありませんが(むしろ休まれたほうが良いかと思いますが)、「やらなきゃならないのに、やれない」と悩んでおられる方に、多くお目にかかります。

「無理する必要はない」と言われても、「やらなきゃ、やらなきゃ」と思っているのに「できない」のは、やはり苦痛ではないでしょうか。そこで、本日は、「やる気が出ないときに少しでも作業をこなす」ための工夫、それ以前の題として、「やらなきゃ、やらなきゃという思いを和らげる」ための工夫について、お話ししましょう。

まずは、「やらなきゃと思っている作業を行うことのメリット、デメリット」を考えてみてください。私たちは、「なんとなく」、「これまでやってきたから」などという理由で、「やらなきゃならない」と思い込んでいることが少なくありません。ですから、そもそも、その作業を現時点で本当にやる必要があるのかを考えてみるのです。例えば、「気力がないのに動くと非常に疲れる」というのは、立派なデメリットになります。

さて、もし「その作業を行なうことのほうがメリットがある」ということになれば、実際に行動に移したほうが良いことになります。行動を起こすためには、これまでお話したようなアクションプランが有効です(参照)が、「わざわざ計画を立てるのは」という場合には、ひとつだけポイントをおさえて行動うつされると良いでしょう。そのポイントとは、「作業を簡単にする」こと、つまり、「いっぺんに全てをこなそうとしない」ということです。例えば、「家中を掃除しないで、1つの部屋だけを掃除する」のです。

そして、一番大切なことは、「作業を行ったら自分を褒めてあげる」ことです。ついつい、できなかったことばかりに気をとられてしまいがちですが、どんな小さな行動でも、「行動に移せた自分を褒める」ことを忘れないで下さい。ご褒美(例えば、おやつやDVD鑑賞など)を用意しておくのも有効でしょう。

「モチベーションがあがらない」、「やらなきゃ、やらなきゃ」と思っていらっしゃるときには、以上のようなステップを踏まれると良いのではないでしょうか。

参考文献:デビッド D.バーンズ(著) 野村総一郎(監訳) 関沢洋一(訳) 「フィーリングGoodハンドブック」 星和書店

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/10/31

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025 身体の緊張をほぐす方法2

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

前回は、身体の緊張感をほぐす方法として、「10秒呼吸法」をご紹介しました。今日は、引き続き、身体の緊張感をほぐす方法として「筋弛緩法」をご紹介しましょう。

うでの緊張感を取り除く

(1)両手のげんこつを力いっぱいにぎりしめます(7秒)

(2)入れた力を一気に抜いて、手の感触を感じます(10秒)

足の緊張を取り除く

(1)つま先に力を入れて、両足を力いっぱいくっつけます(7秒)

(2)入れた力を一気に抜いて、足の感触を感じます(10秒)

顔の緊張を取り除く

(1)両目を力いっぱいつむります(7秒)

(2)入れた力を一気に抜いて、目の周りの感触を感じます(10秒)

 「筋弛緩法」にはこれ以外にも様々なバリエーションがあります。今日は、その中でも比較的簡単にできるものをご紹介しました。

2回にわたって、身体を動かすことで緊張感や不安感を和らげる方法についてお話ししてきました。ストレスフルな状況に対処する際、考え方を見直すことも大切ですが、直接身体感覚に働きかけることもとても効果的です。

 

今回ご紹介した方法は、様々な方法の中の一部にすぎません。そもそも、「これが絶対正しい」という方法があるわけではありません。例えば私は、「お風呂につかる時、全身が温まっていく感じに注意を向ける」という方法や、美容師の友人から教わった「頭皮マッサージ」、「ストレッチ」などを行っています。皆さんも、自分なりの方法を工夫されてはいかがでしょうか?

参考文献:嶋田洋徳・鈴木伸一(編著) 「学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル」 北大路書房
成瀬悟策(著) 「リラクセーション−緊張を自分で弛める法」 BLUE BACKS


認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/10/24

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024 身体の緊張をほぐす方法

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

皆さんは、大勢の人の前で話す時、試験(面接)を受ける時、競技に臨む時などに、体が硬直したり、手が震えたり、過剰にドキドキしたりする経験はないでしょうか?

このような経験には、「この結果は私には重要だ。しかし、私にはうまくこなすことはできないだろう」などのような否定的な判断(認知)が関わっていると推測されます。これまでもお話ししてきたように、認知行動療法では、上のような否定的な判断を検討していくというのが、1つの基本的な技法となります。

しかし、上の例のように、身体的な緊張感が自覚されるような場合、身体の緊張感を直接ほぐしていくという方法も効果的です。前回ご紹介した「ストレスへの対処方法」の中に、「気分てんかんに運動する」という方法があったことを覚えていらっしゃるでしょうか?ここでいう「運動」とは、「身体を動かす」という大きな意味で使われています。ストレスや嫌な気分、それに伴う身体的な緊張感は、身体を動かすことによっても改善されることがあるのです。

今回はその方法のひとつをご紹介しましょう。

10秒呼吸法

心の中で10秒数えながら腹式呼吸を行っていく方法です。

(1)まず、腹式呼吸を行います。鼻で吸って、口で吐いてください。この時、おなかに手を当ててみると良いでしょう。鼻で吸っていく時にはおなかが膨らんでいくのを確認してください。

(2)腹式呼吸で息をすべて吐き出したら、心の中で10秒数えながら腹式呼吸を行います。「1.2.3」で鼻から吸い、「4」で息を止め、「5.6.7.8.9.10」で口から吐きだします。

どうでしょうか?とても簡単な方法なので、是非一度お試ししてみてください。私も、人前で話さなくてはならない時など、不安や緊張が強い時に実践しています。

 

参考文献:
嶋田洋徳・鈴木伸一(編著)
「学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル」 北大路書房
成瀬悟策(著)
「リラクセーション−緊張を自分で弛める法」 BLUE BACKS

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/10/10

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023 ストレスへの対処方法

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

前回は、「ストレスを強める言葉(考え方)」と「ストレスを楽にする言葉(考え方)」をご紹介しました。状況に対する認知(考え方)を見直すことで、必要以上にストレスを感じることは少なくなると考えられますが、これ以外にも、ストレスへの対処方法はたくさんあります。今日は、ストレスへの対処方法にはどのようなものがあるのかを整理し、ご紹介しましょう。

(1)気分てんかん

テレビ、音楽、映画、カラオケ、運動など、リラックスできたり、スッキリできることをする。

(2)逃げる

考えないようにする、問題状況を避ける、あきらめる、人のせいにするなど。

(3)助けてもらう

相談する、教わる、愚痴を聞いてもらう、手伝ってもらうなど。

(4)チャレンジ

問題を整理する、情報を集める、どうしたらよいかを考える、計画を立てるなど、ストレスとなっている状況を変えていこうとする。

 

例えば、アクションプラン(認知行動グループ療法通信No8,No9,No10参照)

ここでご紹介した内容は、とりたてて新しいものではなりません。日ごろから、皆さんは実践されていることでしょう。ですが、改めて整理することで、「自分がどのような対処方法をとる傾向があるのか?」を知ることができるのではないでしょうか。ストレスと付き合っていく上で、このことはとても大切です。

例えば、「気分てんかん」がストレス対処に有効であることが分かれば、「日常生活の中に、気分てんかんできる時間を意識的に組み込んでいく」ことがストレスの予防になるはずです。また、「逃げる」対処方法を多く行う傾向がある方は、「逃げているだけでは、状況は改善していかない」ということに気付かれるかもしれません。もちろん、その逆で、「逃げていれば、大抵のことは時間が解決してくれている」事に気付くかもしれません。

「どのようなストレス対処方法をとる傾向があるのか?」、「その結果、どのようになるのか?」、少し見直してみてはいかがでしょうか。ストレスの予防や、大きなストレスに直面した時に、きっと役立つはずです。

参考文献:嶋田洋徳・鈴木伸一(編著) 「学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル」 北大路書房

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/10/03

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022 ストレスを強める言葉、ストレスを楽にする言葉

こんにちは。認知行動療法アシスタントのYです。

以前、ストレスの感じ方にも「どのように捉えているか=認知」が深く関わっているというお話をしました。ストレスフルな状況に対して、「脅威的である」、「対処できない」と考えるほど、ストレスは強くなっていきます。逆にいうと、ストレスフルな状況でも、「脅威的ではない」、「対処できる」と考えることができれば、必要以上のストレスを感じることは少なくなります。

ストレスの感じ方は、ある程度、考え方次第です。今日は、ストレスを強める言葉(考え方)、楽にする言葉(考え方)を具体的にご紹介しましょう。

ストレスを強める言葉

(1)ぜったいに、○○○だ。

(2)いつも、○○○でなくてはならない。

(3)自分には無理だ。どうにもできない。

ストレスを楽にする言葉

(1)もしかしたら、思い込みかもしれない。

(2)たまには、○○○じゃなくてもいいじゃないか。

(3)それ程重要ではないんじゃないか。

(4)やりがいがある。

(5)自分のためになる。

(6)大丈夫。きっと、どうにかできるはず。

ストレスフルな状況に直面したとき、ふと立ち止まって「ストレスを強める言葉をイメージしていないか?」と考えてみてください。そして、「ストレスを楽にする言葉」を唱えてみてください。「ストレスを楽にする言葉」を心底から信じる必要はありません。「ストレスを楽にする言葉」で一息ついて、現実的にはどのような判断が妥当か、どう行動していくかを考え直してみてください。

参考文献:嶋田洋徳・鈴木伸一(編著) 「学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル」 北大路書房

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/09/25


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021 考え方を見直していく方法4

こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

前回に引き続き、考え方(自動思考)を見直していく方法をご紹介しようと思います。前回と同様、以下のAさんの例に沿って、お話を進めていきましょう。

例:Aさんは、「主婦であれば家事をしなくてはいけない。家事ができなかった自分はダメな人間だ」と考えて、ゆううつな気分を感じている。

(3)言葉を定義する

Aさんは「自分はダメ人間だ」と考えています。このように批判的なレッテル(他にも例えば、馬鹿・負け犬など)を自分自身に使っているときは、「その言葉の定義はなんだろうか?」と考えてみてください。ダメ人間、馬鹿、負け犬などを定義することが、非常に難しいことに気づくはずです。これらのレッテルを定義付けることなどできないかもしれません。

それでも、Aさんは、「ダメ人間」について「家事ができない主婦」と定義するかもしれません。しかし、この定義は妥当でしょうか?何らかの理由で、家事のできない主婦の方は、いくらでもいるはずです。そのような方達も、皆ダメ人間なのでしょうか?すると、Aさんは、「理由もなく家事のできない主婦」と定義するかもしれません。しかし、このような定義も妥当ではないでしょう。そもそも、「家事ができない」とはどのようなことでしょうか?「できた」と感じる程度は、10人いれば10通りあるのではないでしょうか。

少し理屈ぽく聞こえるかもしれませんが、根拠のない自己批判には、理屈で考えるのがよいかもしれません。

(4)メリット・デメリット分析

メリット・デメリット分析とは、「その考え方(自動思考)を信じていることが自分にとってどれだけ役に立つのか(メリット)」、「その考え方(自動思考)を信じることによって自分はどれだけ苦痛を感じるのか、どれだけ不便になるのか(デメリット)」を考えてみる方法です。

  • Aさんの場合、次のようなものが考えられます。
  • メリット:家事をやろうと努力する。
  • 家族の生活を支えることができる。
  • デメリット:できなかった時にとても落ち込む。
  • 落ち込みが強くなれば、さらに家事ができなくなり、他の事もできなくなる。
  • 家事だけで自分の全てを評価することになる。
  • 家事と一言でまとめることで、些細な行動は評価できなくなる。

この場合、メリットは2つ、デメリット4つでした。つまり、もとの考え方をそのまま信じていることは、Aさんを苦しめることのほうが多いということになります。自分を苦しめることのほうが強いと認識できれば、考え方を修正してみようという気持ちになるはずです。

嫌な気分を引き起こした自動思考であれば、たいていの場合デメリットのほうが多くなるでしょう。しかし、メリットの方が多い思考に出合うこともあるかもしれません。ただし、そのような場合でもデメリットはあるはずです。デメリットがあることに気づくだけでも、考え方は少し修正されるはずです。

本日は前回に引き続き、考え方を見直していく方法(根拠と反証をみつける以外)をご紹介してきました。この他にも、考え方を見直す方法はいくつもありますが、文章では伝えにくいこともあり、今回は以上の4つをご紹介させていただきました。他の方法などについては、12回の認知行動グループ療法を終了された方を対象としたプログラムである、フォローアップグループにてお話ししております。

参考文献:デビッド D.バーンズ(著) 野村総一郎(監訳) 関沢洋一(訳) 「フィーリングGoodハンドブック」 星和書店

認知行動グループ療法アシスタント Y 2006/09/18

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