こころのはなし
こころの病気に関わるいろいろなお話を紹介します。
「こころの病」についての知識をはじめ、
バラエティに富んだ情報を提供するなど、
患者様はもちろんご家族など皆様との交流を目指すコーナーです。
こころの健康アラカルト No.841~850
- No.840 給料が低く将来が不安
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「就職難の中、何とか仕事について丸3年になります。仕事は安定しているのですが、給料が低く将来が見えません。その状況に不安が募り、日々の生活が楽しめません。」こんな質問が。 基本的に悲観的な状況ではないと思います。
現在の日本では、年3万人にも及ぶ自殺者が出ていますが、このような社会になったのはここ十数年のこと。 終戦から高度経済成長をとげていた時期は、日本人の多くが今より低い給料であったものの、決して不幸であったとは言えません。つまり、経済的な側面だけでなく、それ以外に生活の楽しみを持つ。また、日々目標を持って生きることが大切なのです。
そのように考えれば、質問者の場合は、給料を上げていくことを目標にするのも一つです。その目標に向けて取り組めばいい。将来は自分で作るんだと考えて、お金がなければ人生を楽しめないと思うのであれば、お金を増やす計画・目標を立てるのです。
しかし、目標設定をしても、日々の生活を楽しめない。人生お金だけではないと気づいても、なお不安だという場合は、心の病気の可能性が高いと言えます。早めに専門家に相談することをお勧めします。また、物事の捉え方に偏りがあるケースも考えられます。その場合は、カウンセリングでの対応も考えられます。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/04/14
- No.849 保険未加入、取り残されているようで不安
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「周囲が皆、生命保険に加入しており、自分だけが取り残されているようで不安と焦りで落ち着きません。高額な保険料だと安心できそうです。これは少し変でしょうか。」こんな質問がありました。 一般的に考えて、無保険であれば心配になり、不安なものでしょう。また、保険料額については、生活レベルや家族構成などによって、高いか低いかは判断が異なります。提示額の何倍もの保険料を求めるようであれば、話は別ですが。
ご質問の場合、「自分が取り残されている」と考えている点は、少し注意が必要といえます。心の病気との関係性で言えば、不安障害が隠れている可能性も否定できません。またうつ病も同様です。 生命保険を契約することで不安が解消するのであれば、問題はないでしょう。しかし、気をつけなければならないのは、次から次へと不安材料が出てくる場合です。そのような状況において、心の病気の可能性が高いと言えるのは、不眠、便秘などの身体の症状を伴うようなケースです。適応障害の可能性もあり、要注意といえるでしょう。
身体症状を有する場合は、専門医への相談をお勧めします。また、不安の種が尽きない場合においても、専門医に相談し、原因を突き止めることで、生活の質向上につながることもあります。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/04/07
- No.848 暴力になる前に早めの治療を DV (2)
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DV(ドメスティックバイオレンス)の治療についてお話ししましょう。 すでに暴力の輪(殴る側と殴られる側)が出来てしまっている時は、まずは双方を切り離すことです。 その後、「殴る=快感」などパーソナリティーに問題がある場合はカウンセリングや行動療法で、「情緒不安定パーソナリティー障害」「不安障害」などの心の病の場合はカウンセリングや投薬で治療を行います。
普段からイライラや心のモヤモヤを物に当たって解消する人はDVの“危険因子”がある可能性も。「やめてほしい・・・」の声で改善されないようであれば、暴力につながる前に早めに専門医に相談するとよいでしょう。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/31
- No.847 クラス替えがとても不安
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「新学期のクラス替えがとても不安。嫌な人と一緒になるのではないかと思うと、食欲がなくなり憂うつです。(中学3年生)」こんな質問が。 陰口、仲間はずれ、罵声、嫌味、さらには暴力などを振るう相手が、「嫌な人」と考えられるでしょう。よくあるシチュエーションで、不安や心配を持つのは自然なことです。 注意すべきなのは、「嫌な人」の行為が事実なのかどうかをしっかり確認すること。不快に感じる行為があったとしても、実際はごくわずかである場合などは、質問者が別の問題を抱えている可能性があります。
たとえば、他人の会話で自分の悪口を言われていると感じるような被害妄想が強い場合は、統合失調症やうつ病、不安障害も考えられます。このようなケースは、中学2,3年生に多い。 こどもからの相談に対して保護者は、「一つの人生経験」などと安易に判断をすべきではありません。背景に隠れているものは何か、その視点をもつべきです。 客観的に「嫌な人」に問題があるのか、人生経験の一つと言える範囲なのか、それとも心の病気があるのか。子どもの心労が、身体症状を伴うようであれば、心の病気のサインかも知れません。専門医への相談をお勧めします。いずれにしてもまずは、保護者が子どもの話をしっかり聞くだけでも、子どもの不安は半減するのではないでしょうか。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/31
- No.846 暴力と心の病の関係とは? DV (1)
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DV(ドメスティックバイオレンス)についてお話ししましょう。 夫婦間における家庭内暴力(DV)とはどのようなものでしょうか。 “殴る夫”と“殴られる妻”という典型的なケースがあります。家事や育児、社会生活の不和や夫の親族との確執など理由は何であれ妻の不具合に対し夫が責めたて、次第に手が出るなど暴力に発展していきます。しかし翌日に夫が謝ってくると許してしまう・・・を繰り返す。妻はミスや不具合を具体的に指摘されるので「自分が悪い?」と“罪責感”を持ちます。そして暴力を受けても、その後の謝罪で許されたという間違った“解放感”を感じてしまいがちです。
では、暴力と心の病は関係しているのでしょうか。 パーソナリティーの問題もありますが、暴力を振るう側は、「情緒不安定パーソナリティー障害」や、著しい「不安障害」で殴るなどの衝動的な行動を抑えられないことも考えられます。また通常大人しくなることの多い「うつ病」ですが、怒りっぽくなったりイライラすることもあります。一方、殴られる側は周期的に繰り返される暴力によって「うつ病」や「不安障害」を発症することも。自身の胸の内にしまわずに、専門医に相談してください。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/24
- No.845 ママ友と仲良く出来ません
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「幼稚園でいわゆる『ママ友』と仲良く出来ません。気軽に話したいのですが、どうしても壁を作ってしまいます。消極的な自分の性格を責めてしまいます。」こんな相談が。 基本的には、気質によるものだと考えられます。もともと内気な人もいますし、壁を作ること自体は問題とは言えません。 これまでは気軽に話せたのに、壁を作るようになってしまった場合には、注意が必要でしょう。
そもそも子育てはとても大変なことなのです。その認識をしっかり持つことが重要です。核家族化が進み、夫が仕事で忙しいようであれば、母親が一人で子どもを育てざるを得ない状況になります。そうすると一日中、こどもの世話をすることになり、「ママ友」を作るまでエネルギーが回らないことも考えられます。二人子どもがいれば、なお更のことです。 その対処法として、一つは実家の母の援助。週2、3回預ければ余裕ができます。それが難しければ、コストはかかりますが、延長保育や託児所の活用も。
それらをしても、とにかく話すのが億劫、イライラ、疲れやすい、暴言、家事が手に付かないなどの身体的症状があるようであれば、心の病気の可能性も疑われます。不安障害やうつ病、そううつ病のよくうつ状態などが考えられます。まずは専門家に相談することがよいでしょう。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/24
- No.844 親からの過度な干渉や束縛がストレスに
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「帰る時間が遅い!と度々メールしてきたり、「休日なのにどこに行くの?」としつこく聞いてくる!成人し社会人になってからも親からの監視が厳しく、ストレスを受け続けることで心の病を発症してしまうこともあります。どのような症状や心の病が考えられるでしょうか。
親からの行き過ぎた干渉や束縛のために自分の時間を持てない、恋人も出来ない・・・。そんな状況を繰り返すうちに不安感や頭痛を訴え、「適応障害」や「うつ病」「不安障害」を患うケースがあります。また、日常生活において他者の判断に依存してしまう「依存性パーソナリティ障害」を発症していることも。
治療法は、症状によりますが、「適応障害」の場合は親の束縛から抜け出すことで症状の改善が見られます。しかし、今までと違う自由な現状に、“再適応”する過程で不具合を生じることもあり、カウンセリングが必要なことも。
また「依存性パーソナリティ障害」は、長期にわたるカウンセリングで自信を取り戻させます。どちらにしても、親との距離を取ることです。当事者だけで難しい場合は第三者の助けを借りるなどして自分の人生のために自立することが大切です。 悩みや不安は、専門医に相談してください。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/17
- No.843 仕事が評価されずに無気力に
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「仕事が充分な結果を出しているのに、会社に評価されません。不満が強くなり、仕事へのやる気が上がりません。」こんな相談が。 評価には、主に3つあると思います。1つは金銭的なもの、2つ目はほめ言葉などの心理的なもの、3つ目は役職などの地位です。金銭的なものは、所属している会社の業績が関係するので、報奨を出すのが難しい場合もあります。心理的なものは、表彰など栄誉を与えることで評価できます。地位に関しては、たとえば、人事的に昇進させることができないなどの問題もあるでしょう。 いずれにしても、「評価されていない」と即断しないこと。客観的に見れば、自分よりもっと業績を上げている人がいるかもしれません。冷静な判断が大切。そうすれば、持たなくても良い不満であることに気づくことも多いのです。
もちろん不当に評価されていないケースもあります。しかし、それだからといってやる気をなくしては悪循環。リストラの対象にもなりかねません。あきらかに上司と合わない、また不当に評価されないのであれば転職を考えるのも一つです。
無気力、喪失感があり、趣味も楽しめずいらいらしたり、疲れやすく不眠などの身体的な症状を伴うのであれば、うつ病や適応障害、そううつ病など、心の病気の可能性があります。専門家への相談をお勧めします。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/17
- No.842 原因不明の痛み?「疼痛性障害」
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原因が分からず、頭・手・足・腹部・肩などさまざまなところがズキズキと痛むことはありませんか。もしかしたら「疼痛性障害」かもしれません。 痛みを感じるのに、内科や外科で検査しても異常が見つからず、さらに症状が長引く場合、不安やストレスなど心理的要因によることが考えられます。これが「疼痛性障害」です。痛みが激しくなり、家事や仕事など、日常生活に支障を来すようになると治療が必要です。
痛みは実際にありますが、手足など抹消部分が原因ではなく、脳内の神経系の異常であると考えられています。不安により痛みが増大されたり、逆に不安を取り除くと痛みが軽減されるという患者さんもいます。さらに、うつ病や統合失調症などが背景にあるケースでは、痛みに加え、気分の落ち込みや妄想などさまざまな症状が出ることがあります。 治療法は、背景にある原因を知り、抗うつ薬など薬物療法やカウンセリングを行っていきます。また、痛みが完全に消えなくてもある程度は、痛みと共存する方法を身に付けることも必要です。まずは専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/10
- No.841 極度の潔癖症です
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「極度の潔癖症です。少しでも部屋が汚れていると耐えられません。また、不潔な人にも強い嫌悪感を抱いてしまいます。」こんな質問が。 これは、汚れることに恐怖を抱く不潔恐怖症と考えられます。
例えば、電車の手すりを触るのが嫌だ、コートの裾が汚れていると思い執拗に確認してしまう、公衆トイレの便座に座るのを極度に嫌がるなど、症状は様々あります。程度の差はあれ、同様の感情を持つ人もいるのではないでしょうか。
潔癖の度合いが強くなると、手袋をしないと物を触れなかったり、携帯電話を消毒したり、ひび割れるくらいに手洗いをするなどの行動が見られることもあります。 このような不潔恐怖症の人は、手の汚れなどを落として清潔にしなければ、という強迫行為、また、汚れているのではないかという強迫観念、その他にも強迫性障害という心の病気を患っているケースが多いと考えられます。 これらの病気は、認知行動療法や薬物療法である程度の症状の改善が見込まれます。強迫行為については9割程度が、また強迫観念は5割程度が改善されているデータがあります。 ご質問のような状態により、普段の生活に支障をきたすようであれば、少しでも生活の質を改善するためにも、早期に専門家に相談することをお勧めします。ハートクリニック院長 浅井逸郎 12/03/10