こころのはなし

こころの病気に関わるいろいろなお話を紹介します。
「こころの病」についての知識をはじめ、
バラエティに富んだ情報を提供するなど、
患者様はもちろんご家族など皆様との交流を目指すコーナーです。

   
福祉用語の基礎知識 その他

No.12 バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーション

コミュニケーションには、大きく分けると2通りあります。 言葉によるコミュニケーションを「バーバルコミュニケーション(言語コミュニケーション)」、そして、言葉を使用しないコミュニケーションを「ノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)」といいます。
たとえば、バーバルコミュニケーションは、会話や文字、印刷物など言語的なコミュニケーションのことです。そして、ノンバーバルコミュニケーションは、顔の表情や声の大きさ、視線、身振り手振り、ジェスチャーなどによるコミュニケーションです。 心理学者のアルバート・メラビアン博士は、話し手が聞き手に与える印象がどのような要素で形成されるが測定しました。その結果、話し手の印象を決めるのは、「言葉以外の非言語的な要素で93%の印象が決まってしまう」ということがわかりました。

  • 視覚情報(Visual)見た目・身だしなみ・しぐさ・表情・視線…55%
  • 聴覚情報(Vocal)声の質(高低)・速さ・大きさ・テンポ…38%
  • 言語情報(Verbal)話す言語そのものの意味…7%

たとえば、普段の日常生活においても、下を向いて小さい声で「今日はすごく元気」と言ったとしても、言語的には「元気」と言っていますが、非言語的な部分は「元気がない」と言っています。ですから、本当に元気なのか疑問に感じることになります。 口に出して言わなくても、表情から読み取れることを、「顔に書いてある」と言いますが、それは、言葉以外で多くのコミュニケーションをしている表れです。また、海外旅行でその国の言葉が分からなくても、買い物ができたり、地元の方とコミュニケーションができるのも、非言語的な部分でコミュケーションをしているからです。
相手の目に映る第一印象は、表情や身だしなみです。ですから、肯定的な表現や笑顔の良い表情は誰からも好かれることにつながります。また、身振り手振りを大きくすると実感があり説得力が生まれます。逆に、顔が無表情になったり、身だしなみが整っていなかったりしたら、本当に伝えたい情報が相手に伝わらなくなります。

No.11 スクールカウンセラー

不登校やいじめなど、児童生徒の抱えるさまざまな問題や悩みに対して、「心の専門家」として支援的な介入を行い、健全な成長をサポートする職種です。 現在、ほぼすべての公立中学校にスクールカウンセラーが配置されています。職種は、心理職や社会福祉士などです。小学校では校区中学のスクールカウンセラーが相談に応じるシステムをとっていることもあります。私立学校の設置状況はそれぞれです。 スクールカウンセラーは主に教員からの相談に応じますが、その学校に在籍する児童生徒、保護者からの相談にも、担任を通じて応じています。 多くは週一回の配置ですので、継続的に支援が必要な場合は、教育センターや地域の相談機関、医療機関に紹介することがあります。

No.10 生活のしづらさ

精神障害者の疾病や障害の部分に注目するのではなく、精神障害者を地域における生活者としてとらえ、疾病や長期入院の弊害などにより生じた生活上の困難さのことを指します。
例えば・・・

  • 長期入院していたために世の中の変化について行けない
  • 長らく療養生活をしていたために社会人としての在り方が分からなくなってしまった
  • 薬の副作用による喉の渇きなどが、大事な場面で我慢ができなくて困る  など

病状が安定して、いざ働く、社会に出る、となったときには、今直面している「生活のしづらさ」といかに折り合いをつけていくか、が大切になってきます。 まずは、自分にどのような「生活のしづらさ」が考えられるかを整理してみることも、対処策を考えていく上でのポイントとなります。

No.09 副交感神経後

自律神経系では、交感神経系と副交感神経系が内臓、眼、分泌腺などを二重に支配しています。
副交感神経は動眼神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経、仙骨神経、腸管神経叢に含まれており、消化管の蠕動亢進、唾液分泌亢進、徐脈、瞳孔縮小などの副作用があります。 心臓は迷走神経からの副交感神経が分布しており、迷走神経刺激によって徐脈などをしょうじます。副交感神経腺維のシナプスはアセチルコリンを神経伝達物質としています。このために抗こりん作用がある三環系抗うつ薬等で遮断され、これらの薬剤の副作用として、口渇、便秘、瞳孔散大等の副交感神経遮断症状が生じる場合があります。

No.08 交感神経

立神経系に属し、副交感神経と拮抗して内臓、血管、腺などに作用し、生命維持に必要な機能を反射的に調整します。
胸髄と腰髄の側柱にある神経細胞から出た節前線維は脊髄前根から幹神経節に入り、そこでニューロンを換えて直接に頭頸部と胸部の臓器に分布し、あるいは脊髄神経と合流し、体幹、四肢の血管および皮膚の血管、汗腺、立毛筋に分布します。腹部内臓領域では、節前線維は交感神経幹を素通りし、腹腔内の神経節でニューロンを換えて内臓に達します。 交感神経の作用で瞳孔の散大、唾液の分泌、心拍の増加、血管の収縮、発汗、立毛が促進され、消化吸収、泌尿生殖系の運動・分泌は抑制され、興奮時や運動時にてきした身体状態がつくられる。

No.07 住民基本台帳カード

住民基本台帳カードは、お住まいの市区町村で簡単に交付を受けられるセキュリティカードです。平成21年4月より新しい住民基本台帳カードが発行され、今まで以上に本人確認機能が強化されたものとなり、身分証明書をお持ちでない方でも身分証明書としてご利用いただく事ができます。
住民基本台帳カードは、ご希望の方に対してお住まいの市区町村でありますので、お住まいの市区町村の窓口までご相談ください。
申請に必要なもの

  • 住民基本台帳カード交付申請書(市区町村の窓口にあります)
  • 写真(写真付きのカードをご希望の場合。※上半身、無帽、正面、4.5×3.5)
  • 運転免許証等の各種免許証・保険証・パスポート・各種障害者手帳・生活保護受給者証・保護証明・各種年証書等ご本人の身分を確認できるもの
  • 手数料500円程度

※詳しいお持ち物に関しましては、各市区町村にお問い合わせ下さい。

No.06 クライエント

一般的な意味としては、依頼人、顧客、来談者、患者などでありますが、ソーシャルワークにおけるクライエントとは、保健・医療・福祉の諸サービスを利用する個人、家族、グループ、コミュニティなどのことを指します。
かつては、援助を受ける者やサービス対象者ととらえられていたが、近年では、援助を受ける側の主体性を重視する観点や市民として積極的にサービスを利用するという意味で、福祉サービスの利用者(ユーザー:user)、コンシューマー(消費者:consumer)という用語が多く用いられるようになってきています。
クライエントとなるのは、単に何らかの生活上の問題状況にあるということだけでなく 、援助機関とサービス提供の契約が成立した段階からであり、援助の申請から契約までの段階では、申請者と呼ばれます。

No.05 記憶

記憶は、記銘(経験を覚え込む)、保持・貯蔵(一定時間その経験を保つ)、想起(必要なときにその体験を思い起こす)の働きによって構成されます。さらに想起は、記憶した内容を思い出して再現すること(再生)と提示された情報が記憶した内容と同一であると認める事(再認)に分けられます。
記憶は学習と一部重複した概念であるが、学習は経験の獲得による行動の変容に重点が置かれているのに対し、記憶は行動の変容は問題にしていません。 記憶は、感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3つに仮説的に区分されています。 感覚記憶は容量が小さく、ごく短期的に各感覚器官に留っていると仮定されるものであります。
短期記憶は必要な短期間だけ一時的に情報を保存しておく働きであり、一般に数唱範囲(意味をもった記号について7桁±2桁)と言われています。また、暗算をするときのように、1桁の計算をする間、他の桁を一時的に記憶するような「作業記憶」も短期記憶であります。また、単に短期記憶を維持するために繰り返すこと維持リハーサル、長期記憶に転送するために繰り返す作業を精緻化リハーサルといいます。
長期記憶にはエピソード記憶と意味記憶があり、エピソード記憶は、「いつ、どこで」それを記憶したかとおう内容をもつ自分が経験した情報の記憶で、意味的記憶は「いつ、どこで」という内容をもたない知識の記憶であります。 ※こちらの記事を参考にしてください。

No.04 家族

人間の社会生活の基礎的拠点として、家族やそれに類似する集団的単位は、いずれの社会においても見出すことができます。 家族を定義することや、他の社会組織と区別し、同性、婚姻・生殖性、親族単位性、結合の情緒性あるいは規範性、社会的機能の多様性、所属の選択(任意)性あるいは非選択性などがあげられます。しかしながら、家族という社会事象の複雑さのためにこれらの要件のうちのいくつかを組み合わせて明確に概念定義をするとしても、必ずしも現実態のすべてをすくい取り入れるとはいえない困難さがあります。
日本における最も代表的な定義は、「家族とは、夫婦・親子・きょうだいなど少数の近親者を主要な成員とし、成員相互の深い感情的かかわりで結ばれた、幸福追求の集団である」とする森岡直美のものがあります。しかしこれについても、その基盤として核家族論に対する批判を含め、集団論的なとらえ方の不十分さや限界を指摘する見解も散見されます。 また、研究史からみると、家族はまず、制度上の問題として論じられ、その後、集団としての有り様に注目して、その生活構造や人間関係をとらえて研究され、関連する知見が蓄積されてきた経緯があります。そして今日では「個人化」と呼ばれる家族の変化にも対応して、さらに、その内部の二者関係や個人レベルで家族事象をとらえる研究への関心が高まりつつあります。他方、社会保障政策などとの関連で、

No.03 家族介護

介護には、私的な介護と社会的な介護とがあります。
私的な介護は、主に家族によって担われる為、家族介護とも呼ばれます。戦前の日本では、介護は家族機能のなかで担うことが当然とされてきました。つまり、「いえ」制度の下、大家族で生活しており、家族機能によって介護を解決するのが一般的でありました。しかし、戦後、家族形態は変化し、かつてのような三世代世帯や拡大家族で生活する家族は減少し、核家族化していきました。
一方、高齢者の一人暮らしや夫婦のみの世帯の増加や親世代も子世代も高齢者の年齢になっている老老介護も増える高齢社会となりました。また、これまで家族介護を担っていた女性の社会進出の活発化や介護期間の長期化等の変化も家族介護を困難にさせてきました。 そのような要因により、老親に対する介護の意識も変わってきました。従来のような介護家族だけでは困難となり、社会的な介護の必要性が高まり、1980年代以降、高齢者に対する福祉サービスがふえていくなかで、介護の社会化が進んできました。
したがって、介護では家族の機能と社会の機能を区別することが重要になってきています。その点を踏まえて、現在は2000年4月以降は、介護保険制度が始められています。

No.02 多重債務

ご病気を抱えていらっしゃる方の中には、体調不良のために就労が困難で、収入が少ないために医療費が払えず、結果として、適切な頻度で通院ができなくなってしまう、といった悪循環に陥ってしまう方も少なくありません。今回は、生活を守るために、複数の金融機関・消費者金融などから借り入れをしている方(多重債務者)への、社会的サポートについてご紹介致します。
各々のご事情に合わせて、相談から、自己破産の手続きや債権者からの厳しい取り立ての防止など、法的な手段を用いる場合もあります。
具体的な相談窓口として、(1)消費者金融センター、(2)全国にあるクレジット・サラ金被害者の会、(3)司法書士法人リーガルハンズ、(4)簡易家庭裁判所、(5)市町村の法律無料相談会などがあります。
まずは一度、当院ソーシャルワーカーや各相談窓口に相談してみてください。

No.01 精神保健福祉ボランティア

一般市民による、精神障害者の生活上のサポートを行うボランティアのことを、精神保健福祉ボランティアといいます。精神障害者が地域での生活の幅を広げていくために、精神保健福祉ボランティアの役割は、今後ますます必要とされています。精神障害者を取り巻く様々な問題を理解し、共に生きる地域社会づくりを目指すため、その育成講座は各地で実施されています。精神保健福祉ボランティアの活動や講座につきましては、社会福祉協議会、保健所、精神保健福祉センターへお問い合わせください。