こころのはなし

こころの病気に関わるいろいろなお話を紹介します。
「こころの病」についての知識をはじめ、
バラエティに富んだ情報を提供するなど、
患者様はもちろんご家族など皆様との交流を目指すコーナーです。

     
専門編 パニック障害について

パニック発作は珍しい病気ではありません

生涯有病率(一生のうち一回以上発症する人の割合)は、世界各国の研究報告によりばらつきがありますが(表-2.参照)、約1.5~5%です(Kaplan & Sadock,:SYNOPSYS OF PSYCHIATRY;599,2003)。約20人から60人に1人ですから、学校のクラスで言えば、1~2クラスに1人はいる計算になります。 これは、うつ病よりも頻度が少ない(約1/3~1/5)ですが、統合失調症より多い(約1.5~2倍)割合となります。男女比は約2:1で、女性に多い病気です。年齢では20才前後で多くが発症し、女性の場合は30台半ばにも少し発症頻度が上がります。

表-2. パニック障害の有病率と発症年齢