こころのはなし

こころの病気に関わるいろいろなお話を紹介します。
「こころの病」についての知識をはじめ、
バラエティに富んだ情報を提供するなど、
患者様はもちろんご家族など皆様との交流を目指すコーナーです。

こころの病気のはなし 基礎編

入門者向けです。「こころの病気とは?」「なぜ病気になるの?」といった 話を、こころの病気について初めて触れる方にもわかりやすく解説します。

①こころの病気ってナンだろう?

こころの病気とは?

こころの病気は、精神や身体の働きが不安定になることで、日常生活に支障を生じてしまう病気です。 病気の症状は、人によってさまざまです。思考力や意欲が低下する、気分の浮き沈みが激しくなるなど、精神的な不調があげられます。また、精神的な不調だけでなく、人前に出ると手が震える、突然めまいや動悸に襲われる、眠れない、食欲が落ちる、体がだるい、肩がこるなど、身体的な不調が症状として現れることもあります。

こころの病気とは?

なぜ、こころの病気にかかるの?

こころの病気にかかる理由は、はっきりと わかっていません。しかし、こころの病気にかかった人の様子をみると、病気やけが、 学校や職場の人間関係などにより、日常 生活にストレスを受け続けている傾向が見受けられることから、ストレスも影響しているとも考えられています。

なぜ、こころの病気にかかるの
②こころの病気ってナンだろう?

こころの病気と脳の関係

こころの病気になると、脳の働きの異常が認められます。これは、脳の働きのバランスが崩れた状態です。 脳の役割には、思考や想像、快や不快といった感情の形成、衝動の抑制、運動の指令、食欲や性欲などの生存に関わる働きかけ、呼吸・血液の循環・消化活動などの生命維持に欠かせない身体の制御などがあります。このように、脳は人間が活動するための重要な働きを、精神と身体の両方に対して行っているのです。 この脳の働きのバランスが崩れてしまうと、精神や身体が影響を受けて不安定になります。この状態が、こころの病気です。

こころの病気にかかったとき、脳では何が起きているのでしょうか? これは、脳のしくみを理解するとよくわかります。脳は、140億以上の神経細胞で構成された臓器で、枝分かれした無数の神経細胞が相互に連結し合い、神経回路を作っています。この連結された無数の神経細胞に次々と信号が伝わることで、思考や運動の指令といったさまざまな活動が行われます。脳の働きのバランスが崩れた状態とは、この信号が正しく伝わらなくなり、思考や運動などの活動に支障が生じた状態を指します。

こころの病気とは?

こころの病気になると、脳の働きの異常が認められます。これは、脳の働きのバランスが崩れた状態です。 脳の役割には、思考や想像、快や不快といった感情の形成、衝動の抑制、運動の指令、食欲や性欲などの生存に関わる働きかけ、呼吸・血液の循環・消化活動などの生命維持に欠かせない身体の制御などがあります。このように、脳は人間が活動するための重要な働きを、精神と身体の両方に対して行っているのです。 この脳の働きのバランスが崩れてしまうと、精神や身体が影響を受 けて不安定になります。この状態が、こころの病気です。

こころの病気にかかったとき、脳では何が起きているのでしょうか? これは、脳のしくみを理解するとよくわかります。脳は、140億以上の神経細胞で構成された臓器で、枝分かれした無数の神経細胞が相互に連結し合い、神経回路を作っています。この連結された無数の神経細胞に次々と信号が伝わることで、思考や運動の指令といったさまざまな活動が行われます。脳の働きのバランスが崩れた状態とは、この信号が正しく伝わらなくなり、思考や運動などの活動に支障が生じた状態を指します。

こころの病気とは?
③こころの病気ってナンだろう?

脳内で信号が伝わるしくみ

病気のときの脳の状態を知るために、ここで脳の中で神経が信号を伝えるしくみをみてみましょう。

こころの病気とは?

一つひとつの神経細胞には、「軸索」と呼ばれるしっぽのような長いケーブルがあり、この軸索を電気信号が伝わります。信号が軸索の末端まで伝わると、軸索の末端にあるシナプスを通じて次の神経細胞に信号を伝えます。シナプスと次の神経細胞との間には「シナプス間隙(かんげき)」と呼ばれる小さな隙間があり、直接つながっていません。そのために電気信号を直接伝えることはできず、シナプスから神経伝達物質と呼ばれる化学物質を放出することで、次の神経細胞 を刺激して信号を伝えています。ところが、シナプスから放出される神経伝達物質の量が過剰になったり不足したりすると、信号を正しく伝えることができなくなります。そして、脳の働きのバランスが崩れ、こころの病気として精神や身体に症状が現れるようになります。

なぜ、こころの病気にかかるの なぜ、こころの病気にかかるの
④こころの病気ってナンだろう?

こころの病気の治療法

こころの病気の治療は、主に薬を用いる場合と、薬を用いずにカウンセリング(心理療法)、行動療法などの方法で行う場合に分けられます。

こころの病気とは?  

薬を用いる治療では、投与した薬が先に挙げた脳内の神経伝達物質に対して働きかけ、脳の働きを正常に戻します。薬を用いない治療には、カウンセリング(心理療法)、行動療法、デイケア、リラクセーションなどがあります。

カウンセリング(心理療法)
カウンセラーとの対話を通じて悩みやストレスを解消していく治療法です。例えば電車など苦手な空間に少しずつ慣れていく形で恐怖感を克服するエクスポージャー(暴露療法)などがあります。

デイケア
精神的なリハビリテーションの役割を果たし、患者同士で作業や交流をしながら社会生活を送るための準備の場を提供します。

リラクセーション
筋弛緩法などがあります。これは交感神経の働きが優位になって緊張状態にあるものを、筋肉に力を入れる・抜くを繰り返すことで副交感神経の働きを高め、心身のリラックス状態にするものです。

生活技能訓練
生活技能訓練とは、対人交流の中で、自分の考えや感情をもっと上手に表現できるようになることを目的とします。 4~12名程度で構成される集団で、ロールプレイ(みんなの前に出て練習したい対人場面の再現)を用いて練習します

行動療法
行動療法とは、問題行動の除去に焦点をあてた心理療法です。問題行動を、「間違って身につけてしまった学習行動」とみなし、好ましくない行動のメカニズムを様々な角度から分析したうえで、より好ましい行動へ変えていこうとします。

いずれの場合も、きちんと健康な状態に治すためには、長期の継続的な治療が必要です。

こころの病気の種類

こころの病気には、主に次のものがあります。

  • •うつ病
  • •パニック障害
  • •社交不安障害(社会不安障害)
  • •統合失調症
  • •その他

こころの病気のはなし 基礎編-2

心の病はもはや特別ではなく、誰もがかかる可能性のある病気。もしもの時にとまどわないためにも、正しい知識が必要です。 この「こころの病気のはなし-2」は、ハートクリニック大船院長のおはなしをまとめたものです。

心の病の現状 ・・・ うつ病のリスクは15人に1人

「私は大丈夫」「うちの夫に限って」・・・。
心の病なんて自分には無縁と思いがちですが、案外身近にあるのも事実です。 厚生労働省によると、日本人約40人のうち1人が精神疾患の患者だといいます。 増加の原因ははっきり言えませんが、社会のストレス強まっているのか、今まで気の持ち方だと思われていた症状が心の病気だという認識が広まったためか。ただうつ病は今やありふれた病気で、15人に1人が一生に一度はかかるといわれているほどです。
女性患者が増えてきたことも背景にあると考えています。今から20年近く前までの抗うつ剤は、血圧低下など副作用が強く、男性は耐えられても女性には積極的に処方できなかったのです。その後、副作用が少ない新しい抗うつ剤が開発されたことを機に女性の受診者が急激に増加。今は薬と休養で治せる病気になっています。当クリニックでは7対3ぐらいで女性の患者さんの方が多いです。 そもそも最近はクリニックや診療所が増え、大きな病院に行くのをためらっていた人の受診も目立ってきました。 薬を処方する必要のない軽症の人が、受診し相談したおかげで過労が原因だと意識できるようになり、仕事をセーブするだけで回復した例があります。
軽いうちに治療すれば治るのも早いのです。病院に行くほどではないと思っている人も、買い物ついでに近所の診療所に足を運んでみてください。 では、軽症でなくてもカウンセリングだけで回復できないでしょうか?
昔の薬のイメージを持つ50代以上の方は、特に抵抗感が強いようですね。薬で人格が変わってしまうのではないかという誤解もあるようです。
実は”心”でなく”脳”の病気。薬を上手に使って治す。
心の病は脳の働きのバランスが崩れた状態です。
心の病気の大半は、脳の機能障害ですから、薬で治すことが一番有効です。
カウンセリングは自分の心を把握したり、問題解決力を高められる点で効果的ですが、薬と併用するのが基本です。 脳では140億以上の神経細胞がお互いに連結して、運動指令や思考、感情などの信号を伝えています。病気になるとセロトニンなどの神経伝達物質が不足したり過剰になることで、信号が正しく伝わらなくなっていまいます。
骨折なら場所をすぐ特定できますね。でも脳は障害の部位を特定するのが非常に難しい。また欧米並みとはいきませんが、日本でも使える薬のバリエーションが増えてきています。量はできるだけ抑えるようにしていますが、効果を得るため数種類を組み合わせる工夫も私たち医師はしています。薬を飲んでいない状態が素の人格と言うのは誤解です。病気に支配されない本来の自分に戻すため、薬の助けが必要なのです。

心の病気の種類 ・・・ 普段と違うと思ったら迷わずチェック

心の病気は下記のほかにも不安から同じ行為を繰り返す強迫性障害、アルツハイマー型認知症、摂食障害など多種多様です。共通する特徴は、原因がわかっていない病気が多いこと。 脳の仕組みはあまりにも複雑で、解明するのにはまだまだ時間がかかるでしょう。世界中の研究者が手こずっています。
突然めまいや動悸に襲われる、不眠で体がだるいなどの症状が、気分の落ち込みと同時に現れることが心の病気では多く見られます。 体が悪いのかと思って最初に内科や外科に行ってしまう方が90%近くいるとWHOの調査にも。適切な治療が遅れてしまうことがよくあります。
症状は人によってさまざま。特にうつ病や双極性障害では、単なる落ち込みなのか、本当の病気なのかが見分けにくいです。
明らかに普段と違う感覚があるはずです。それまで体験したことのない異常な落ち込みが2週間以上続く場合は、迷わず受診をおすすめします。また周囲の人も、本人とのやりとりでいつもとは違う印象を受けると思います。普段そんなに怒るはずのない人から、ぴりっと怖い感じを受ける、またはヒヤリと冷たい感じで拒絶されてしまう、そういう時は病気を疑ってください。 うつ病はまた、がんや糖尿病、肥満などのほかの病気と併発しやすいことも知られています。更年期障害もうつの症状と重なることが多いです。
身体の病気を悪化させ、回復したいという意欲をなくすマイナス効果が大きい。患者さんの精神的負担を少しでも軽くし、本来の病気の治療に前向きになれるように、併発うつの治療が重要視されています。

自覚できる発症のサインは?

自律神経系の異常
【例】 目まい・たちくらみ・異常な発汗・頭痛・食欲不振・過食・下痢・便秘・味覚がおかしい・のどが渇く・息が苦しい・動悸が激しい・音がこもって聞こえる もっとも自覚しやすいのは自律神経系の異常。上記のような症状に伴って、気分が異常に落ち込む、変化するという場合は、何らかの病気を考えられます。

睡眠障害
途中で目が覚める、悪夢を見る、という日が3日連続すると赤信号と考えます。 上記は、心の病気にみられる典型的な身体症状。学生などによくある昼夜逆転の生活とは全く別。夜も昼もぐっすり眠れることがない状態が3晩続く場合は迷わず受診した方がよいです。

一般的な心の病気はこんな症状で分かります。

●うつ病
気分障害の一種、気分が落ち込んだり行動意欲が失われたりして、その状態が長く続く。
症状
憂鬱、もの悲しい、落ち着かない、劣等感に悩む、絶望的になる、イライラするといった気分の低下、何事にも意欲や関心がわかない、考えがまとまらない、決断力が失われる、内にこもるといった意欲の低下。肩がこる、眠れない、食欲がない、疲れやすい、体重が減るといった体の不調、飲酒量が増える。症状が重いと自殺願望が生じるおそれも。
原因
はっきりと解明されていないが、生活環境や職場環境によるストレスが引き金になりやすいと言われている。仕事熱心、責任感が強い、まじめで几帳面といった性格の人がなりやすいことがわかっている。

●双極性障害
気分障害の一種。うつ状態と躁状態を交互に繰り返す、いわゆる”躁うつ病”のこと。躁状態の程度によってI型、II型がある。
症状
「双極I型障害」では、うつ状態に加えて激しい躁状態を起こす。ほとんど寝ずに動き回り、多弁になって周囲に休みなく話し続け、家族を疲労困憊させる。高額な買い物をして多額の借金を抱えるなど、社会的適信用を失うこともある。「双極II型障害」の軽躁状態では、周囲に迷惑をかけることはないが、いつもとは人が変わったように元気で、人間関係に過剰に積極的な感じに周囲は困惑することも。
原因
まだはっきりと解明されてないが、精神疾患の中でも最も脳や遺伝情報などの身体的な側面が強いと考えられており、精神療法やカウンセリングだけで根本的な治療をすることはできない。どんな性格の人でもなりうる。

●パニック障害
不安障害の一種。突然に激しい不安に見舞われ、息切れやめまいなどの発作に襲われる。
症状
前触れなく、突然に息切れ、めまい、動悸などのパニック発作を起こす。10分ほどでピークを迎え、その後30分以内に症状は治まる。動悸や息苦しさから、心臓や呼吸器の病気と疑われても、心電図などの検査では異常が発見されない。発作の回数を重ねるにつれ徐々に重症化していく傾向となる。
原因
最初の発作は、過労やストレスなどが関係しているとみられる。その後、再発への強い不安により発作が起こる場合もある。病気にかかりやすい体質(遺伝要因)が一部関係しているという研究も報告されている。

●社交不安障害
不安障害の一種。人前で話をしたりグループ活動したりすることに対して不安感や恐怖感が強く働き、仕事や生活に支障が生じる。
症状
自己紹介、来客、外食時など、人と接するときや、人前に出て何かするときに極度に不安を感じて、手足が震える、息苦しくなる。動悸がする、大量の汗をかく、顔が赤くなる、声が出なくなるなどの身体的症状を伴う。電話のように、直接対面しないときにも起こる場合がある。「困った性格」として一人で悩んでいるケースが多いと推定される。
原因
かつては心理的な要因が主なきっかけとさrてきたが、現在は脳内のモノアミンという神経伝達物質の不足が原因と考えられている。

●統合失調症
不安や幻覚、被害妄想などに見舞われる。人とトラブルを起こす。集団生活ができなくなる、集中できないなど、生活に支障を生じる。周囲とのコミュニケーションが難しくなり、1人で悩みがちになる。
症状
自分の悪口を言われていると思ったり、ありもしないことを考えて確信してしまったりして、周囲を混乱させる。発症直後や再発時にみられる”陽性症状”として、思い込み、被害妄想が激しくなる、疑い深くなる、幻聴が聞こえる、奇異な行動、思考の混乱。長期間にみられる”陽性症状”として、社会的に引きこもる、感情が鈍くなる、言動に一貫性がなくなる、注意力や集中力の低下、無関心、意欲低下。他に、記憶力の減退、融通性の低下、作業が遅くなる、話を理解しにくくなる、極端に疲れやすいといった障害もある。
原因
生まれつきの体質と生活の中でのストレスがきっかけで、脳の働きに不調が起こるものと考えられている。具体的には、脳内で神経を興奮させるドーパミンが過剰に分泌されることや、興奮を抑えるセロトニンが不足することで不安や混乱が生じやすい状態になることが原因ではないかとみられる。

受診の手順 ・・・ 自分の症状にあった病院へ、まずは気軽に

初めて精神科や心療内科を受診するのは少し勇気がいるかもしれないけど、当クリニックでは本人が自分から予約して受診するケースが半数です。
心の病気を抱える人のうち4割は、自分で認めたくない、または偏見があって通院していないと推定されています。年配の方は、精神科に偏見がる場合もありますが、若い人ほどハードルが低い。高校生で、親に言わずに「うつ病じゃないかと思うんです」と一人で診察に来るケースもありました。
いきなり大きな病院はちょっと、という場合は、まずは近所の診療所やクリニックへ、一般的なうつ病や双極性障害、不安障害などであれば精密検査は必要ないので、診察時間が限定され混んでいる大学病院よりも便利です。

いざ受診。さて、どこへ行けばいい?

●精神科病院
専門性が高く、入院施設がある。

●大学病院/総合病院
高次医療機関。身体的な症状がある、検査を要する場合に受診するとメリットがある。

●診療所/クリニック
夜間や土日も受け付けしているところも多く、一般的な症状なら、通いやすさはいちばん。

●精神科
昔からある脳病と言われる精神病の人が受診。うつ、統合失調症などは、本来こちらが専門。

●心療内科
内科の一分野。胃潰瘍は喘息など、内科の病気だけれど、精神状態が原因となっているケースの診療を行う。1996年に初めて標榜科として認められた。

症状が重い人、ほかの病気の合併症がある人は、入院や精密検査ができる大きな病院がよい。迷う場合はまず身近な診療所やクリニックで相談すれば、適切な病院を紹介してもられるので心配はない。診療所やクリニックは、精神科か心療内科かの区分けをしていないことあるが、現在はうつ病など一般的な病気ならどちらの意思でも対応できるので、区分けは気にしなくてもよい。

初診はリラックスしてありのままを伝えよう。
初めての患者さんに行う診察の流れです。

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これは、標準的な診察パターンです。患者側は病歴や家族歴などの記録を準備していった方がよいでしょうか?
記録はあれば助かりますが、事前に何かを準備してきてほしいとお願いすることはありません。不安障害の方などは病院に来るのも不安と言う方もいらっしゃるので、まずはどなたでもウェルカムです。
患者さんが負担を感じないような雰囲気をつくるように心がけています。初診では40分程度の問診で、患者が何の病気を抱えているのか、病歴や成育歴を聞き、見当をつけていきます。
患者さんの表情や話し方などからも判断材料を得ています。何に困って何を必要としているかを見極めることが大事で、単に話を長く聞けばいいというものではないです。私は若いころ2時間も話を聞いたことがあり、患者さんが疲れてしまうじゃないか、と先輩に怒られたことがあります。(笑い)
問診の後に、推定診断でいくつかの可能性が高い病名を告げ、治療法を何通りか提案。薬の種類やカウンセリングなどをどう組み合わせるか、患者と相談して方針を決めます。
こちらの方針に従ってもらわなければならない場合もありますが、できるだけ患者さんの好みに沿うよう相談します。そうしないと治療の成果が上がらないですから。最後に、ほかの病気がないかを調べるため血液や心電図などを検査して終了。それから週に1回の通院が始まり、症状の軽減とともに2週に1度、月に1度と回数は減っていく。
いつまでも治らなかったり、医者との相性が合わない場合はどうしたら良いでしょうか?セカンドオピニオンを聞くことは、今は常識です。別の病院を紹介してもらいましょう。

治療費と期間 ・・・ 治療には年数が、気長にゆっくり、再発しないよう

病気が治るまでの期間は、病気の種類や程度によってさまざまですが、通常は1年から2,3年はかかると思ってもらうといいでしょう。 うつ病の治療では、「不安といらいら」がまず消え、次に「ゆううつ感」が和らぎ、治療後3カ月~半年で「おっくう感」だけが残る段階になる。この段階になれば仕事復帰を見据えた治療を始めることになるでしょう。 治療中は休職している上に治療費もかかる、家計が続くがが心配ですが、日本は外国に比べ薬価が高いですが、精神疾患への社会的援助は進んでいます。病院を通じてソーシャルワーカーが相談に乗ってくれます。 医療費の自己負担が軽くなる自立支援医療制度の利用、障害年金の受給など長く治療を続けるための支援があります。 自己判断で薬の服用を止めてしまうと再発のリスクが飛躍的に高まるので大変危険です。心の病気は治るまで年数がかかり、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に回復に向かうものです。何事も医師に相談しながら焦らずに気長に考えてください。

自立支援医療(精神通院医療)とは
神疾患で通院による精神医療を続ける必要がある病状の人に、通院のための医療費の自己負担を軽減する制度。ただし、入院医療の費用は対象外。病院や診療所以外でのカウンセリングなど医療保険が対象とならない治療や投薬の費用は含まない。 3割負担が1割負担になり、所得に応じて1カ月当たりの上限額も設けている。

申請は、各市町村の担当窓口へ。
●(障害福祉課、保険福祉課など)
申請に必要な書類
●自立支援医療(精神通院医療)支給認定申請・・・ 市町村等(医療機関等に置かれている場合も)
●医師の診断書・・・ 通院している精神科の病院・診療所で記入してもらう
●世帯の所得の状況等が確認できる資料
●健康保険証
●その他 (自治体によって必要書類が異なることがあるので、市町村の担当課や精神保健福祉センターに問い合わせる)
※ こちらも参考にしてください。