各種プログラム

ハートクリニックでは、患者様の治療でお薬の利用を最小限に減らすために、
さまざまな診療プログラムをご用意しております。

リワークプログラムとは

*“リワーク”の意味
リワーク(Re-work)とは、return to workの略語です。主に気分障害(うつ病など)の精神疾患を原因とする休職をされている方の職場復帰の支援を目的としたリハビリテーションプログラムのことを、リワークプログラム(復職支援プログラム、職場復帰支援プログラム)と呼びます。

“リワーク”についてさらに詳しく

「職場のメンタルヘルス対策に関する調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構 2012年)によれば、調査対象の6割弱の事業所でメンタルヘルスに問題を抱える労働者がいるとされ、そのうちの3割強の事業所は3年前に比し、メンタルヘルス不調者が増加傾向にあると回答しています。しかも、うつ病などで休職した方のうち、復職から5年以内に再休職してしまう割合は5割弱という調査もあります(厚生労働省)。

うつ病などのメンタルヘルス上の問題で休職された方にとって、復職することそれ自体も決して簡単なものではありませんが、それにも増して、復職後の就労を継続することは大変な困難を伴うものとなっています。

このようなことから、リワークプログラムは最大の目的を、単に復職を目指したリハビリテーションとしてだけでなく、再休職予防を目指したリハビリテーションとして実施されています。

 

*リワークプログラムの種類(実施している場所による違い)
リワークプログラムには、実施している場所によって、大きく3つの種類があります(下図参照)。

  医療リワーク 職リハリワーク 職場リワーク
実施機関 医療機関 障害者職業センター 企業内、EAPなど
主たる目的 精神科治療、再休職予防 職場への適応に向けた本人と雇用主への支援 復職の可否を決定する見極め
対象 休職者 休職者、雇用主 休職者
費用 健康保険 労働保険 企業負担

*リワークプログラム利用のメリット
もちろん、リワークプログラムに参加しなければ絶対に復職が成功しないというわけではありません。しかし、リワークプログラムに参加することによって、以下のような大きなメリットがあります。

リワーク

1.復職時にかかるストレスへの耐性を上げることができる

療養生活をしている間、多くの方は、しっかりと休養をとるために、極力、ストレスを避ける生活を送っているでしょう。療養生活という身体的・心理的負荷の少ない環境から、直接、職場復帰をされると、職場環境での負荷(例えば業務へのプレッシャーや複雑な人間関係等)と療養時のそれとのギャップに対応しきれず、再発に至ってしまうケースが残念ながら少なくありません。リワークプログラムに参加することは、少しずつ身体的・心理的負荷をかけることになりますので、いわばこうした職場環境に移行するための“慣らし”として役立ちます。 また、リワークプログラムでは、自分自身についてよく知ることが求められます。このことが、自分にとって本当に役に立つ、ストレスへの対処法を編み出すことにつながります。

2.生活リズムを整えやすくなる

リワークプログラムに参加すると、決まった時間に通所し、プログラム時間内は活動し、決まった時間に帰宅するということを毎日繰り返すことになります。リワークプログラムへの参加に合わせた起床時間や就寝時間へ生活リズムを移行していくことで、活動的になり、規則正しい生活習慣や睡眠覚醒リズムが身に付き(回復し)ます。規則正しい生活リズムと日中の活動性は、復職にあたっては最も基本的な事項です。職場が復帰の可否を判断する際に、大変重要視されます。

3.リハビリの「かたち」を整えやすい

独力で復職へ向けたリハビリを行うことも不可能ではありません。しかし、リワークプログラムは、よりスムーズな復職に必要なリハビリテーションプログラムを、パッケージにして提供しますので、効率的であることは言うまでもありません。

4.他者との交流が圧倒的に増える

療養生活では、かかわる他者の範囲が著しく狭まりがちです。リワークプログラムでは、多くの他者と触れ合うことで、自分と似た考えに出合って励まされたり、自分とは全く異なる考えに出合ってこれまでとは異なる視点を得たり、自分の考えを再確認したり、また、人の中に受け入れられることの安心感を得たり・・・他者と交流する機会を持つことの効用は計り知れません。人は人の中で良くなっていくものです。

5.似た境遇の仲間と出会える

病気による休職という同じ境遇をもち、さらには職場復帰という共通の目的をもった仲間同士であるからこその支えあいは、とても心強いものです。また、集団の中で時間を過ごす環境は、職場での環境と類似する点も多く、その中で生活上や人間関係上のアドヴァイスをし合ったり、一緒にトレーニングをしたりすることができます。

6.専門家とのやりとりが密になる

プログラムには、精神保健福祉士、臨床心理士(公認心理師)、看護師などといった専門職がかかわります。専門家の視点からのアドヴァイスを受けたり、個別の相談をすることができたりします。

当院のリワークプログラム

*当院は(社)日本うつ病リワーク協会会員医療機関です。
*当院のリワークプログラムは、(社)日本うつ病リワーク協会認定スタッフが運営しています。
プレ・リワーク期間(1か月)・コア・リワーク期間(3か月)・フォローアップ期間(1か月)のトータル5か月間

プログラム内容

  1. プレ・リワーク
    週3日(月・水・金)のデイケア通所。デイケアプログラムに参加しながら、週3日の通所に身体と心をなじませる時期。生活の記録を習慣づけ、他者とともにグループ活動に参加し、担当スタッフと面接を行うことで、本格的なリワークプログラム(コア・リワーク)への準備性を高めます。
  2. コア・リワーク
    1か月ごとに週3日(月・水・金)、週4日(月・水・木・金)、週5日(月~金)と通所日数を漸増させながら、リワークに特化したプログラムとデイケアプログラムを組み合わせて利用。自己分析・休職要因の考察・再休職予防のための対策・セルフケア・今後の生活様式の再考などの課題に体験的に取り組むことで、復職準備性を高めます。
  3. フォローアップ
    コア・リワーク期間を経て復職をされた後、1か月間、毎週土曜日の午前中に通所(ショートケア)。1週間の振り返りやテーマトーク、認知療法、リラクセーションを実施することにより、復職直後のストレス状態や孤立感を軽減し、健康的な状態を維持します。
  4. リワーク同窓会(年4回)
    当院のリワークプログラムを利用後に復職され、勤務を継続されている方々を対象に、生活状況の振り返り、スタッフによるミニセミナー、茶話会を主な内容とする同窓会を行っております。参加時期の異なるメンバーが一堂に会し、それぞれの体験を分かち合うことで、明日からの生活の活力にしていただくことを目的とした会です。

プログラム利用までの流れ

リワーク

※参加者の募集は1か月ごとに行います。ホームページにてお知らせいたします。

対象となる方

  • うつ病、またはうつ状態との診断を受けている方
  • 参加にあたって、主治医の許可が得られている方(他院通院中の方もご利用いただけます)
  • 現在、休職中であり、離職をしていない方
  • 復職の意思があり、プログラム開始時点で週3日の通所・プログラム参加が可能な方

※主治医やスタッフの判断により、参加条件が満たされないと判断された場合には、ご参加いただけない場合がございますので、あらかじめ、ご了承ください

費用

  • 各種健康保険がご利用いただけます(自立支援医療制度も適用されます)
  • 健康保険利用時(3割負担):2,130円(1日につき)
  • 自立支援医療制度利用時:710円(1日につき)

※プログラム内容により、別途費用負担が掛かる場合があります。

お問合せ先

  • ハートクリニック大船医療相談室(髙橋)TEL.0467-46-2700

リワークプログラムの期間後

リワーク期間を満了された後、休職期間が延長となった場合はデイケアの利用を継続していただくことが可能です。

卒業生の声

リワークプログラムを卒業された方の声をご紹介します。なお下記は、あくまで個人の感想です。利用された方全員に同様の効果を保証するものではありません。

  • 開始前は、自分に変化が起こるか半信半疑でしたが、プログラムを受けるにつれて、自分でも、他人から見てもわかるくらい良い方向に変わることが出来ました。
  • プログラムに参加して、自分が何故休職したのかや考え方のクセ、自動思考の根本に何があるのか等に気づくことができました。参加前は「自分で何とかして考えを変えなくては」と漠然としか考えられなかったのですが、プログラムを段階的に進めていくことで1つずつ深く考えることができ、参加前に考えていたことが理解できたと思います。
  • 私は休職後、別のリワークに1カ月半ほど通っていましたが、そこにはついていけず挫折した経験があったため、こちらのリワークでも果たして3カ月間、最後まで通い続けられるか不安がありました。しかし、こちらのリワークでは、あたたかい雰囲気の中、無理強いされることなく、自主性が尊重され、自分で「気づき」を得ることに重点を置いたプログラムとなっており、安心して最後まで通うことができました。活動記録の中でのスタッフさんからのコメントや、ミーティングなどから得たフィードバックは、自分にさまざまな「気づき」を与え、「自分を知る」ことにつながり、自分1人では得られなかった大きな財産になりました。今では、こちらのリワークに通うことができて良かったと考えています。
  • 主治医と産業医に参加を促され、正直あまり気乗りしないまま参加しましたが、とてもいい機会を与えてもらったと感じています。ハートクリニックのリワークは、毎月3カ月目のメンバーが卒業して、新しいメンバーが加入するシステムになっています。自分が参加した時点で先輩たちがいてくれる状態でスタートできることで、良いお手本が身近にいて、少し先の自分をイメージすることを容易にしてくれます。また、参加者同士で自然に教えあう空気ができ、他のメンバーに色々と伝えることでまた、自分にとって新たな気づきを得られたり、自分の変化を実感できたりという好循環が生まれているように思います。プログラムも系統立ててよく考えられている上、受け身にならないように要所は必ず自ら気づくようにスタッフの方がうまく仕向けてくれるように私は感じていました。また、リワークプログラムの参加者だけで終日過ごすわけではなく、デイケア通所者と一緒に参加するプログラムもあり、そこで様々な気づきを与えてもらったことも大きかったです。人生半ばで立ち止まることになってしまいましたが、ひとりで悶々と考えていたのでは絶対に得られない多くのものを獲得し、自らをアップデートできたという実感があります。
  • 基本的に、自分で自分のことを考えて、これからどうしていきたいか考えられるというところまで引き上げてもらったと思っている。カリキュラムで色々学ぶが、それらは“考える”ためのきっかけや方法、手段を教えてもらっているのであって、とにかく“自分で考えること”に重点を置いていると思った。私はこれまで、これほど自分のことを振り返り、考えたことがなく、それが大切とも思ってこなかったが、リワークを受けたことがとても大きな転換点になったと思う。